文月(ふみつき)です。
ビジネス会計検定に興味があるけど、仕事に役立つの?
どうせななら仕事以外にも役立つ資格だといいんだけど。
今回は、会計系の民間資格であるビジネス会計検定について、その有用性について考えてみたいと思います。
ちなみに筆者は20年9月に三級、21年3月に二級を取得しています。
こんな方におすすめ
- ビジネス会計検定を学ぼうか悩んでいる。
- 資格取得後のイメージを持ちたい。
この記事でわかること
ビジネス会計検定を実際に取得してから感じたメリット・デメリット
それでは、よろしくお願いします!
目次
そもそもビジネス会計検定とは?
まずはじめに、ビジネス会計検定を学ぶことで身につくスキルを整理しておきましょう。
ビジネス会計検定試験は、財務諸表に関する知識や分析力を問うもので、
財務諸表が表す数値を理解し、ビジネスに役立てていくことに重点を置いています。
※引用元:大阪商工会議所HP
筆者の認識では、財務諸表を作るのが簿記、財務諸表を読むのがビジネス会計検定と理解しています。
要は、「会社の決算を見て色々考えることができるようになる」のがビジネス会計検定です。
ビジネス会計検定を学んでよかったこと/メリット
ではこちらから本題です。場面ごとに整理してみました。
Case.1 営業現場 顧客と話が盛り上がる
筆者は営業職です。
もう少し詳細にお伝えすると、有形商材の法人(個人事業主含む)ルート営業です。
営業職であれば、顧客との何気ない会話や雑談も重要であることは共感してもらえると思うのですが、ビジネス会計検定の知識があるとめっちゃ会話が盛り上がります。
特に強烈に実感した顧客属性は
- 個人事業主
- 役職者
- 投資好き
この辺りでしたね。
彼らに共通しているのは「財務諸表を読む機会が多い」ということ。
基本的に財務諸表の知識がある人というのはコーポレート部門にいて外勤部隊ではあまり多くはないですよね。(金融証券業の場合は別かもしれませんが…)
つまり、その武器を持っているだけで顧客に入り込むという面において他の営業とは大きく差をつけることができるということ。
筆者自身も実際、顧客との関係構築に「こんなに役に立つとは…」と度々感じていました。
顧客属性が近しい仕事をしている方は、ビジネス会計検定が役に立つかもしれません!
Case.2 社内政治 上司と近い視座で会話ができる
社内政治っていうとなんか耳障りがよろしくないですが…
「お、こいつよく勉強しているな」と認めてもらえます。
筆者は以前、現場のことしか考えられないタイプでしたが、会社のお財布事情を知った上で決算短信などを見始めると、数字の捉え方や物事の考え方にも変化が出てきます。
上司との面談など何気ない会話の中でふとそんな話題に触れたときに、「よくわかるなお前」と感心されたことがありましたね。思わぬ副産物。
上司と会社のお財布について語りたい人にビジネス会計検定、お勧めです。笑
Case.3 イチ会社員として 自社の相対的位置、客観的評価が理解できる
Case.2の本質的な価値がこちらです。
同業他社と比較して
- 自社のおサイフ事情はどうなっているのか?
- 堅実なのかアグレッシブなのか、はたまた結構ヤバいのか。
ビジネス会計検定ではこれらを様々な指標で分析するスキルが身につくので、色々な角度から自社の状況を判断することができるようになります。
収益性・安全性・成長性
の三面から企業の財務体質が読めるということですね。
また+αで中期経営計画を見てみると、自社の方向性が見えてきます。
即ち、これから求められる人材もわかり、自分自身の準備ができるということ。
業界内での自社の立ち位置を分析したい方にも、ビジネス会計検定は役立ちます。
Case.4 転職活動 企業選定のツールになる
ビジネス会計検定で財務諸表を読むスキルが身につくということは、企業の経営状況がつかめるようになるということ。
基本的な財務分析ができることで、転職先の経営状況を踏まえて安心感・納得度を高めて企業選択することができます。
※上場企業の場合、会社法や金融商品取引法によって各種財務諸表の提出が義務付けられているため、各社の財務諸表は誰でも簡単に見ることができます。
転職したはいいけど財務状況ボロボロで社内の雰囲気も最悪だった…
なんて失敗を防ぐ大きな力になってくれるはず。
ちなみに筆者の場合は未上場のITベンチャー転職だったため、
貸借対照表しか開示されていない+先行投資期で負債モリモリという、周辺知識がないとちと分析不足なパターンでありました…まだまだ勉強不足です…!
いつか転職活動するかもしれないという方にもツールとして準備しておくと役に立ちます。
ビジネス会計検定を学んだ損/デメリット
ここまではビジネス会計検定を学ぶことで得られるメリットについてお話しましたが、いくつかデメリットとも言えそうなことをお伝えします。
1. それなりに時間がかかる
ビジネス会計検定は財務諸表の読み方を体系的に学びます。
そのため、人によっては「仕事に直結しない」「特に必要でもなさそうだな」と感じる分野が出てくるかと思います。
資格試験であるので、そういった分野も合格点ラインまではきっちり勉強する必要があり、そこまでに初学者の場合だとそれなりに時間を要するということが考えられます。
ご参考までに、筆者は簿記三級→ビジネス会計検定三級→二級と進めましたがそれぞれ
・三級:約90時間(2020年10月第27回受験。4月末から勉強を始めて7月以降は2級の勉強を始めていたため、実際は60~70時間ぐらいかと思います。)
・二級:約85時間(2021年3月第28回受験。3級合格後、しばらく休憩し12月から再開。上記分含めると実際は105時間~115時間ぐらいかと思います。)
程費やしました。
2. お金がかかる
これは使用する教材や講座にもよりますが、やはりそれなりにお金も必要になってきます。
目安(筆者の実費)としては
三級:24,150円(受験料4,950、公式テキスト1,600、問題集1,600、通信講座16,000)
二級:38,380円(受験料7,480、公式テキスト2,100、問題集1,800、過去問集2,000、通信講座25,000)
程度を見積もっておく必要があります。
3. 資格取得だけではアピールにはならない
ビジネス会計検定に限らず、民間資格に共通して言えることですね。
例えば転職面接の際、
「ビジネス会計検定もってます」
「どうして取ろうと思ったの?」
「財務諸表が読みたくて」
「どうして?」
「自社の経営状況を知りたくて」
「どうして?」
「…視座を高く持てるかと思い」
「どうして高い視座が必要なの?」
「…」
こんなことになりそうですね。
アピールするならば、「応募求人で活躍する際にどうスキルが発揮されるか」を説明できるように準備しておく必要があります。
私自身も転職を経験していますが、転職市場では肩書やスキルよりも「経験と観」が重視されます。
ちなみにビジネス会計検定は履歴書にも書きましたが1度だけ人材紹介企業で軽く聞かれた程度でした。笑
とはいえ、「何のために学ぶのか」という目的意識さえあれば特に後悔することはありません!
まとめ
今回はビジネス会計検定について、筆者自身が取得して感じたメリットデメリットをお伝えしてみました。
忙しい中でそれなりに勉強する時間は必要ですが、やはりそれ以上の価値はあったなあとちょこちょこ感じる機会があります。
最後に、ビジネス会計検定をおすすめできる人を整理してみますね。
- 仕事上財務諸表を読む力を伸ばしたい方
- 会計とは関係ない部署だが経営分析に興味がある方
これからビジネス会計検定に挑戦したい方のご参考になれば幸いです!
ありがとうございました!