文月(ふみつき)です。
今回は
エッセンシャル思考/グレッグ・マキューン
の書評をまとめます。
まずは結論、僕がこの本から受け取ったメッセ―ジは
「本当に大切なことなんてほとんど無いんだから、余計な事を削ぎ落してシンプルにしよう。そうすればアウトプットは益々良くなり、心は益々豊かで居られるよ。」
というものでした。
こちらから、本書をおすすめしたいのはこんな方です!
こんな方におすすめ
- あれもこれも手を出してしまって、すべてが中途半端になっている。
- 最近忙しくて自分の時間、大切な人との時間が取れていない。
- 常に何かに追われている。
僕自身はひとつめが課題でありました。
目次
読書理由/目的/目標
読書理由:自分の性格上、隅々までやらないと気が済まない。一方でもっと器用にできないものかと悩んでもいる。
目的:本当に重要なポイントを見極められる、思考・技術を手に入れたい。
目標:日常的に実践できる物事の判断軸を何か持ち帰る。
概要
本書の概要は以下の通り。
【著者】グレッグ・マキューン|シリコンバレーのコンサル会社THIS Inc.のCEO。Apple,Google,Facebook,twitter,Linktin,SalesForceなどの有名企業のアドバイザー。
【発行日】14年12月12日
【ページ数】320ページ
【一言で】「より少なく、しかしより良く」。限られた時間とエネルギーを最大限に発揮するために選び、見極め、捨て、仕組化する方法を紹介。
本書の内容
「より少なく、しかしより良く」
を体現するために必要な思考・技術を提示してくれます。
導入
巷には、如何に効率よく大量の仕事を捌けるようになるか?にフォーカスしたノウハウ本が溢れている。
と筆者は言います。
そしてノウハウを駆使して多忙な業務を見事に捌けるようになると、、
「○○君、これもやってくれないか?」
そう、優秀であればあるほど、当然それだけ仕事は降ってきます。
そして大量の仕事を消化する中で筆者は
「やらなければならない事のほとんどは、ムダだ。」
という結論に至ります。
筆者は依頼や業務を断り、本当に大切な事だけに集中することで、同等それ以上の成果創出が可能になると言います。
とはいえ、日々多忙なビジネスパーソンは目の前の仕事を着実にこなされている。
そして気付けば、大切な時間までも犠牲にしてしまっている。
本書は、そんな「ムダ」を見つけ、排除し、本質的な事を選択する技術を解説します。
即ち、
多くのことをやり遂げる技術ではなく、正しいことをやり遂げる技術。
興味がある方には必見です!
エッセンシャル思考の恩恵
◆迷わない
大量のtodoを効率的にこなすより、そもそもリストがすっきりしている方がよい。最優先と2番目の差は大きくなり、本当にやるべきことがクリアに見えてくる。
◆流されない
自信を持って立ち止まり、きっぱりとノーを言える。もう他人に振り回されない。
◆日々が楽しくなる
エッセンシャル思考の基本
①選択 時間とエネルギーの使い方を選ぶことができる
②ノイズ 世の中の大半はノイズだと認識している
③トレードオフ どうやって全部終わらせるか?ではなく、どの問題が一番重要か?に着目する
非エッセンシャル思考とエッセンシャル思考の違い
非エッセンシャル → エッセンシャル
- やらなくては → やると決める
- どれも大事 → 大事なものは滅多にない
- 全部できる → なんでもできるが、全部はやらない
見極める技術
「何が大好きか?」
「何が得意か?」
「世の中のニーズに貢献できるのは何か?」
断ることを覚える
断ることを覚えた時、本当に重要な仕事をやり遂げることが可能になる。
自分で優先順位を決めなければ、他人の言いなりになってしまう。
断るコツ
◆判断を関係性から切り離す
◆直接的でない表現を使う
◆トレードオフに目を向ける
◆誰もが何かを売り込んでいる
◆好印象よりも敬意を手に入れる
仕組化する
正しい習慣がクリエイティビティを産む。
- ニューロンの結びつきが強化され、情報伝達がスムーズになる。
- それまで思考や判断につかっていた領域が別のことに使えるようになる。
習慣はトリガー、行動、報酬の3要素で構成される。
トリガーと報酬は強力に脳に刷り込まれる。
→行動よりトリガーに着目する。
トリガーを見つけ、有益な行動と結びつければ良い。
文月的所感★★★★★
全編非常に面白かったのですが、特に印象的だったフレーズなどなどメモします。
ノーと言って数分嫌な気持ちになるか、イエスと言って何ヶ月も後悔するか。
名言ですね。
断るのには勇気がいるし、直後は自分も相手もいい気分はしない。
しかし、安易に引き受けることでそれによる犠牲や後悔は長く続いてしまう。
エッセンシャル思考で取捨選択をしていきたいものです。
エッセンシャル思考のリーダーシップ論
前職と現職を比較してみて、ドンズバすぎて震えました。
非エッセンシャル思考のリーダーは目的が不明確なので、中途半端にあらゆることに手を出そうとする。その下で働くメンバーは山ほど仕事を振られてどの方向にも少ししか進めない。どうでもいい作業に時間を費やし、重要な仕事に手が回らない。
これね・・・首がもげるほど頷きました。
違和感はあっても、中間管理職は何も言えず忠実に現場まで落とす。
結果、いいからやってくれ=手段の目的化 に陥っていましたね、、
非エッセンシャル思考 | エッセンシャル思考 | |
タスク分担 | 誰がやるのか不明瞭で、決定の根拠がわからない | 各メンバーの特性と目標に沿って最良の配置を決める |
部下育成 | こまごまと首を突っ込みすぎるか、忙しすぎて放置するかの両極端(あるいは両方) | 小さな進歩を重ねているかどうか、適切にチェックする |
その他、人材、戦略、コミュニケーションなど、様々な角度から比較しています。
現職が「エッセンシャル思考」な組織だからこそ、より腹落ちする。的を得ているもんだなぁ と…!
ちょっと気になる点
「不要なものは断る」
という姿勢もエッセンシャル思考には必須というのが筆者の主張ですが、
状況によっては鵜呑みにするのは危険なのでは?
と個人的には感じた所もあり。
例えば組織に長く在籍し、信頼を勝ち得ている方であれば案外受け入れられるが、
転職して数か月未満の新入り って、
まだまだ「こいつは仕事ができるのか?仲間なのか?」品定めされている状態だと思うんです。
そんな関係で「や、これは自分の責任範囲外だ、やりません。」というのは少し荒業なのではなかろうかと。
文月メモ
・思考として積極的に取り入れる。
・断る基準はある程度認められる結果を出しつつ調整していく。
エッセンシャル思考 をオススメしたい人
最後に改めてですが エッセンシャル思考 を読んでほしい人は
- あれもこれも手を出してしまって、すべてが中途半端になっている。
- 最近忙しくて自分の時間、大切な人との時間が取れていない。
- 常に何かに追われている。
といった方です!
全部取り入れようとしなくても、自分が気に入った部分だけ意識してみたりするだけでも全然違った世界になりそうですね!
あとは、自分の職場を客観的に見てみるのも面白いかもしれません。改善提案に繋がりそう。
最後までありがとうございました。